レジオネラ属菌について

レジオネラとは?

レジオネラ(レジオネラ属菌)は、抵抗力の弱い乳幼児、高齢者、病人などが感染すると、高熱、寒気、筋肉痛、吐き気、意識障害等といった肺炎に似たような症状を引き起こし、最悪の場合、死に至る恐ろしいものです。

レジオネラ属菌そのものは、土壌や河川、そして湖沼などにも、ごくあたりまえに広く生息しています。では自然界に生息している「レジオネラ」がどうしてこんなにも問題視されるようになったのでしょうか?

その背景には「温浴ブーム」と「塩素消毒の特徴を無視したメンテナンス」があります。
日本人は温泉旅館や日帰り入浴施設(スパ)が大好きです。
「大きな浴槽で手足を伸ばしてゆっくり入浴したい」
「心身ともにリラックスしたい」という願望が強く、全国各地に入浴施設が作られています。
しかしその一方で、急成長・多様化する入浴施設に、法整備や衛生管理意識がついていっていないこともあり、残念な事故も発生しています。

記憶に新しいところでは、平成14年、宮崎県日向市の第三セクターが経営する温浴施設で発生したレジオネラにより、295人が感染(疑いも含む)、7人が死亡するという、悲しい事件があります。
この事件の特筆すべきところは、この施設はまだできたばかりであり、オープンしてまもなく発生していることです。
建物がどんなに新しくても、どんなに最新鋭の設備を導入していても、ポイントを抑えていない衛生管理はまったくの無意味であり、このような悲惨な事件を引き起こすことにつながるのです。

レジオネラ症の症状

レジオネラ症は、レジオネラ属菌を含んだエアロゾル(霧状になった水しぶき)を吸入することにより起こる気道感染症です。肺炎を中心とするレジオネラ肺炎と、肺炎にならない自然治癒型のポンティアック熱の2つの病型があります。

レジオネラ肺炎の場合、2~10日の潜伏期を経て発病し、悪寒、咳、高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などの症状があり、さらに進行すると呼吸困難、胸の痛み、腹痛、水溶性下痢、意識障害、歩行障害を伴う場合もあります。
病勢の進行が早く、発病から7日以内の死亡例も多いようです。致死率は15~30%と言われますが、適切な抗生剤療法が間に合わないと、致死率は60~70%にもなります。

健常者もレジオネラ肺炎にかかる可能性がありますが、特に幼児、高齢者、病人などの免疫が低い場合に、感染リスクは特に高くなります。

また、ポンティアック熱の場合、潜伏期間は1~2日で、全身の倦怠感、頭痛、咳などの症状を経て、多くは数日で回復します。風邪によく似た症状であるため、感染に気がつかないこともかなり多いようです。

 

レジオネラ症にどうして感染するの?

レジオネラは自然界にごく当たり前に存在するものであり、通常では感染症を引き起こすことはほとんどありません。ただし、空調冷却塔(クーリングタワー)や循環式浴槽や噴水施設など、水が停滞したり循環したりする水温20℃以上の環境下では、レジオネラが繁殖しやすく、特に感染リスクが高い状況であると言えます。

【今までに報告されている感染源】

  • 空調冷却塔(クーリングタワー)
  • 24時間風呂設備
  • 循環式浴槽
  • 打たせ湯
  • ジャグジーバス(ジェットバス)
  • 超音波式家庭用加湿器
  • 噴水
  • 人工の滝

このため、公衆浴場法や旅館業法などで定期的な塩素消毒の励行や、設備の基準について定められていますが、それらの法令が設備を管理する末端の従業員にまで周知徹底されている施設はごくまれであり、また正しい消毒知識を持たないまま作業に従事している事例が多く、衛生管理は困難を極めています。

 

レジオネラ症の予防と対策

浴槽水は、菌が繁殖しやすい温度であり、皮脂や汚れなどの有機物がそれらの栄養源にもなるため、浴槽表面や循環ろ過装置機器内や配管内などに、バイオフィルム(生物膜)と呼ばれるヌルヌルした性状のものが発生します。
このバイオフィルムの中を棲み家として、レジオネラ属菌は繁殖を続けます。
こうして増殖したレジオネラ属菌は、浴槽水の中に流れ込み、水しぶきなどにより人の肺に入り込み、レジオネラ症を引き起こすのです。

公衆浴場法などでは塩素消毒を徹底し、浴槽水の残留塩素濃度を0.4mg/リットル以上に保つように規制しています。また浴槽や循環ろ過装置、配管などを定期的に清掃したり、消毒することを定めています。

レジオネラ属菌は塩素に対して抵抗性が強く、水道水基準の遊離残留塩素濃度0.1mg/リットルでは60分の接触でも完全に殺菌されません。
遊離残留塩素が0.4mg/リットル以上であれば、15分以内に死滅します。プール・浴槽内は循環配管内の殺菌も含め、0.6mg/リットル以上で管理することが本来は望ましいと思われます。
しかしながら、バイオフィルムがすでに形成されている環境下では塩素消毒が有効であるとは言い切れません。また長い間の塩素消毒で耐性のついたバイオフィルムには、塩素消毒が有効でないこともあります。

もうひとつ塩素消毒の問題点があります。高濃度の塩素投入は不快な塩素臭が浴室に充満し、目・鼻・喉、皮膚への刺激になったり、頭痛やめまい、咳などの原因にもなったりします。さらに、高濃度の塩素は設備機器などの腐食を進行させ、施設管理においても悪影響を及ぼします。

塩素薬剤(次亜塩素酸ナトリウムなど)は、たしかに消毒効果があるのですが、有機物に弱く、すぐ結合して消毒効果が減少してしまうため、浴槽などでは一度に多くの人が入浴したりした後などでは、ほとんど残留塩素が測定されないことが多いのです。

もしこのタイミングで、抵抗力の弱い幼児や高齢者の方などが入浴されていたら、大変危険な状態と言えます。
ここに塩素消毒の難しさ、問題点があるのです。

実際の施設管理の現場では、塩素濃度の徹底したチェックを逐次行い、日夜衛生管理に努めておられる方も多くいらっしゃることと思います。
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