ノロウイルスについて
Noro wirus

突然発症し、強烈な吐き気と激しい腹痛、下痢、さらには激しい悪寒と発熱を伴う。

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ノロウイルスとは?

2006年後半~2007年にかけて、日本ではノロウイルス感染症が大流行してしまいました。ここ数年「ノロウイルス」の名前がたびたび新聞などにも掲載されるようになりましたが、治療法が確立していないことや、正しい知識の普及が遅れていることもあり、残念ながらほとんどの施設で正しい消毒がなされていないことが、被害拡大を助長していると考えれれます。

ノロウイルスの歴史は1968年にまでさかのぼります。アメリカのオハイオ州ノーウォークという町の小学校で、集団発生した急性胃腸炎の患者から発見されたことに始まります。
この頃はまだ「ノーウォークウイルス」と呼ばれていました。
その後研究が進み、2002年8月の国際ウイルス学会で正式に「ノロウイルス」と命名されました。つまり「ノロウイルス」と呼ばれるようになったのはごく最近のことなのです。

ノロウイルスの適切な培養方法が見つかっていないため、今日までその研究や対処方法の解明が他のウイルスなどと比較しても格段に遅れていることが否めません。

ノロウイルスの電子顕微鏡像
引用東京都福祉保健局 東京都多摩小平保健所

ノロウイルスの症状

ノロウイルスは口から人体に入ることで感染症を引き起こします。

突然発症し、強烈な吐き気と激しい腹痛、下痢、さらには激しい悪寒と発熱を伴うこともあります。これらの症状は通常、1~2日程度で治癒し、後遺症が残ることもなく、死に至ることはほとんどありません。
ただし、抵抗力の弱い高齢者などでは、嘔吐したものが喉に詰まったための窒息や、誤嚥(ごえん)性肺炎によって亡くなった事例も報告されています。

また感染しても発症しない場合や、風邪によく似た症状(嘔吐や下痢、腹痛を伴う風邪)のみの場合もあり、意外と報告されていないノロウイルス感染症もまだまだ多いようです。

ノロウイルスにどうして感染するの?

ノロウイルスは、

  1. ノロウイルスが付着している食物を食べて感染する。
  2. すでに感染している人の糞便や嘔吐物に含まれるノロウイルスが、人の手指や衣服、器物などに付着し、再び人の口から侵入し感染する。
  3. 上記のようなノロウイルス感染物質を除去・清掃した場合でも、少量のノロウイルス粒子が残っていれば、経口感染することもある。(空気感染)

つまりノロウイルスの適切な消毒処理こそが、ノロウイルス感染症を防ぐ唯一の手段ということになります。

また、震災時などにもノロウイルス(及び、流行性感冒や病原性大腸菌等)への感染リスクは非常に高くなります。
実際に、今年(2007年)3月の能登半島地震では、発生から10日程して、避難所内にてノロウイルスが原因と見られる下痢や嘔吐(おうと)の症状が発生しました。
避難生活のストレスと疲労で免疫力が落ちることや、断水で手洗いやうがいができなくなることがその要因となります。

身近にある危険、ノロウイルス。
施設を利用する方のために、必死に塩素(次亜塩素酸ソーダ)の希釈液を噴霧している方をお見かけしますが、防護服にゴーグル、そしてマスクをして、むせかえりながら清掃されているその様子、そして金属部等のサビなどを見ていると、本当にそのご苦労に頭が下がる思いです。

ノロウイルス感染症の予防と対策

ノロウイルスを予防するために手洗いが推奨されています。これはただ単に、手指に付着したノロウイルスを洗い落とすという意味です。ノロウイルスはエタノールや逆性石鹸への抵抗性が高く、ノロウイルスを不活化(感染性を失わすこと)させることはできません。

塩素(次亜塩素酸ナトリウム)でノロウイルスを不活化させることは確かにできるのですが、ノロウイルスの感染原因となりやすい感染者の糞便や嘔吐物、人の接触が多い箇所などには有機物が多く、低濃度の塩素ではこれらの有機物と先に反応して、塩素自体が分解されてしまい、消毒効果が発揮できないことがほとんどなのです。
そのため、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を拭きつけて消毒する必要がありますが、この場合、塩素独特の刺激臭が残ったり、目・鼻・喉、皮膚などが刺激され、頭痛、めまい、咳などの健康被害が出る場合があります。また金属部分などを腐食を進行させてしまうので、塩素消毒の際には、十分に気をつけて実施する必要があります。

でも、もっと安全で効果的な対策があるとしたら、皆さんはどうされますか。

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