アルコール薬剤について

食品添加物や医薬品としても活用され、非常に高い消毒作用があることから、 非常に高い消毒作用があることから、私たちの生活になくてはならない薬剤の一つ。

アルコール薬剤の特徴

アルコール薬剤は医療の現場でも活用されている最もポピュラーな消毒薬剤の一つです。特に手指消毒に用いられるのはエタノール(エチルアルコール)がほとんどです。消毒用アルコールとも呼ばれ第3種医薬品に分類されます。また指定医薬部外品として取り扱われるものもあり、除菌スプレーや除菌シートにも活用されています。

アルコールは細菌の細胞膜を破壊し、たんぱく質を溶解させることにより除菌効果を発揮します。

アルコール薬剤の弱点

1. 揮発しやすく、引火性がある

アルコールは非常に揮発しやすく、また引火性があるため、保管する際には十分に気を付ける必要があります。火気の近くでは絶対に使わないようにしましょう。

2. 粘膜に対して刺激性がある

目などの粘膜に触れると、強烈な刺激があります。使用の際には目などに入らないように注意する必要があります。

3. ゴムや樹脂などの部品を変質させる

アルコールは加水分解によりゴムや樹脂部を劣化させます。またアルコール除菌スプレーの中にはステンレスを腐食させてしまうものもあるため、使用箇所には十分な注意が必要です。

4. 水分が多いと効果が落ちる

消毒用アルコールは水分とのバランスを考えて、ある程度の水分が含まれていますが、それ以上水分がある箇所に対して使用すると、アルコール薬剤の効果を薄めてしまうことになります。

5. アルコールでは対応しづらいウイルスがある

一部ウイルスにはアルコールでの除菌・消毒の効果が期待できません。「エンベロープ」と呼ばれるウイルスの膜(脂質)を破壊することで除菌・消毒効果を発揮するアルコールに対し、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスといったウイルスはエンベロープを持たず、アルコール薬剤に対して抵抗力があるため、残念ながらアルコール薬剤では効果を期待できないのです。特に新型コロナウイルス感染症対策として、アルコール薬剤を活用しているにもかかわらず、ノロウイルス感染症や食中毒事故などが発生してしまう現場が多いのも、アルコール薬剤が万能であるかのように誤解していることから生じているといえます。