塩素薬剤(次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ソーダなど)

塩素薬剤とは?

一般的に「塩素薬剤」と言うと、水道やプールの消毒に利用される次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)などを意味します。水道水がほんの少し塩素臭がするのは、次亜塩素酸ナトリウムが含まれているからです。次亜塩素酸ナトリウムは安価ありながら、食品添加物や医薬品としても活用され、非常に高い消毒作用があることから、私たちの生活になくてはならない薬剤の一つです。

 

塩素薬剤の弱点

1. 刺激臭による健康被害

塩素には強い殺菌作用がありますが、高濃度にすると強烈な臭気により目・鼻・喉といった粘膜を刺激し、痛みや咳といった健康被害をもたらします。

2. 腐食・劣化を早める

塩素の強い酸化力によって金属やゴムなどを腐食・劣化を早めてしまうため、塩素を使用するには低濃度な状態を保つ必要があります。

3. 有機物と結合して消毒効果が低下する

塩素は有機物と結合しやすく、汚れや皮脂といった有機物が多く存在する場所では、すぐに塩素の消毒効果は低下してしまうのです。

4. 揮発しやすい

空気中に揮発しやすい性質を持っているので、長時間の消毒効果を持続させることはなかなか困難なのです。特に高温になるほど、揮発しやすくなります。

5. pHが高い(アルカリ性)水中では消毒効果が著しく低下する

アルカリ性の水溶液中では消毒効果が低下します。アルカリ泉などでは塩素による消毒はほぼ期待できません。

6. 水分がないと消毒効果が発揮できない

塩素の消毒効果を持続させるためには水分が必要であり、水分がない場所では消毒効果は発揮できません。

 

塩素消毒に対する誤解・無知が事故を生み出す

以上のような特徴から公衆浴場やスパなどでは、「消毒効果を上げるためには高濃度塩素を使用したいが、高濃度にすると利用者からのクレームが発生する上に、設備を傷めてしまうため、低濃度で消毒している。」というのが現実なのです。

また、低価格で非常に手に入りやすく、その独特の刺激臭で「なんとなく消毒できている」感があるため、誤った知識で不適切な衛生管理を続けてしまっている施設も未だに多いのです。

その結果、「レジオネラ感染症」による死亡事故や、「ノロウイルス」の大量発生、「大腸菌」や「カビ」による食中毒事故など、日本各地で悲しい事件が繰り返されています。

塩素消毒について正しい知識を身に着け、使うべきところを間違えないようにしたいものです。